厚底ランニングシューズブームの火付け役と言っても過言ではないナイキのズームヴェイパーフライ4%。先日の東京マラソンでも、上位10選手中7名が着用していたことでも話題になりました。
先日購入し、ファーストインプレッションを以下の記事でレビューしましたが、その後2回ほど短い距離で走ってみたので、試走結果をレビューしたいと思います。
試走一日目
距離
13km
目標タイム
キロ4分08秒(フルマラソン2:55ペース)
結果
キロ4分06秒
感想
走り始めると、着地と同時に足が沈み込む感覚と、踏み込んだ時の反発力を強く感じ、「あー、確かにこれは使いこなせるとかなり速くなるだろうな」という印象は受けました。
ソールに同じ素材「ZOOM X」を使用しているズームペガサスターボはここまで足が沈み込むことはなく、反発力も弱いため、これが本当に同じナイキの厚底シューズなのかと驚きが大きかったです。
ただ、やはり今までに履いたどのランニングシューズよりも癖が強く、なかなかペースの維持が難しかったです。ちょっと上げたつもりでもかなりスピードが出ていたり、逆に少ししか落としてないつもりでも目標ペースより大きく落ちていたり。
本当はハーフ(21km)まで走るつもりでしたが、後述する足への違和感を覚えたため、早々に切り上げました。
試走二日目
距離
13km
目標タイム
キロ4分00秒(フルマラソン2:50ペース)
結果
キロ4分00秒
感想
一日目の反省を踏まえ、もう少し早めのペースの方がペースを維持しやすいのではないかと考え、キロ4:00を目標に走ってみました。これはビンゴ。前日よりかなりペースを乱さず走ることができました。
前日よりペースが速いにもかかわらず、心肺機能的にはほとんど差異は感じず、少なくともキロ4分以下で走らないとこの靴の良さを享受できないなと感じました。
また、二日目も後述する違和感は消えなかったため、13kmで早々に切り上げました。
走行中、その後の違和感
走り始めてすぐに、両足の土踏まずの真ん中部分に強い圧迫感を感じました。その圧迫感は走行中に慣れるどころか、距離を走るにつれ痛みに変わり、ラン終了後には土踏まずに大きなマメができてしまいました。一日目終了後は私の愛用靴下「Tabio レーシングラン」と相性が悪いのかな(Tabioは土踏まず部分が厚い生地で覆われています)と思い、二日目は別の靴下で走ってみましたが、違和感は変わらず、マメは悪化する一方でした。
ヴェイパーフライはソールの内部にカーボンプレートが埋め込まれており、そのカーボンプレートを強く踏み込むことで反発力が生まれます。Zoom Xの衝撃吸収と合わせることで、足への負担は小さいまま推進力を得る構造となっているのです。そのため、土踏まず部分がほかの靴に比べて異様に盛り上がっています。普段は中敷きに接することがない土踏まずが、ヴェイパーフライを履くと足裏全体の中で一番強く当たってしまい、土踏まずでカーボンプレートを踏み込んでいるような感覚を覚えました。
二つ目の違和感はラン終了後に見られました。普段は何ともない距離、ペースなのですが、この日は異様に右足のかかとに痛みを感じました。
私は基本フォアフットで着地をするように心がけています。つまり、基本的にはかかとに負担がかかるようなことはないはずです。おそらくですが、これもカーボンプレートの影響だと思います。
ヴェイパーフライを履いて走ると、着地は非常になめらかで、靴全体が衝撃を吸収するような感覚があります。しかし、カーボンプレートの反発力のせいか、普段はほとんど感じない衝撃のようなものを足裏全体に感じながら走っていました。走行中は特に土踏まずの痛みが強く気付かなかったのですが、普段あまり使わないかかとにも何かしらの衝撃がかかっているのではないかと思いました。
試走を終えて
まず、来月のボストンマラソンでヴェイパーフライを着用することはありません。理由は二つ。
・リスク回避
この2ヵ月の追い込みで、まず間違いなく目標の2:55を切れる実力はついていると思います。レースで上記のような違和感を抱えるリスクを冒してまで、タイムの向上を目指すのは得策ではないと感じました。
・今の走力ではまだヴェイパーフライの実力を生かしきれない
正直な話、キロ4分で走るとヴェイパーフライでもズームペガサスターボでも大して変わりません。安定して3分台で走り続けることができるようになれば、またこの靴を試してみたいと思います。
なんせ、いまだにこの価格差ですからね。
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2019/6/10追加
現在は定価で購入可能です。
最後に
個人的には、ペガサスターボは非常にバランスの取れた良いシューズだと思います。キロ3:45くらいまでならこのシューズで充分です。前回の比較記事でも書きましたが、少し重いですがフルマラソンならほとんど気になりません。それよりも、Zoom Xの衝撃吸収性能が素晴らしい。ボストンはこちらで走ることに決定です。
こんにちは。
ナイキズームの感想どうもありがとうございます。
確かにTOP選手が履いているのをみると、自分も速く走れるのかなと思っちゃいます。
しかし、それに合わせた走り方にしないと、いけないようですね。
逆に故障する可能性も出てきそうですね。