2018年10月から本格的にワンワールドおよびJALに乗り始めた私ですが、現在の所有JALマイルが30万を超え、これを何に使えばよいのか考えることが多くなりました。そこで、本日はいったい1マイルにどれくらいの価値があるのかを海外居住者の観点から考察してみようと思います。
マイル単価とは
マイル単価とは、1マイルに何円の価値があるのかという意味で、マイラーの間ではおそらく永遠に解決しない壮大なテーマであると思います。というのも、その価値というものが、使う人によって大幅に異なってくるからです。
例えば、Aさんは飛行機に乗るときは常にファーストクラスです。ビジネスクラスやエコノミークラスなんて、乗ったことも今後乗るつもりもありません。たまったマイルはいつも普段100万円以上払っているファーストクラスの特典航空券に交換して使用します。
Bさんは飛行機なんて所詮移動手段。ビジネスクラスやファーストクラスに何の魅力も感じません。普段はLCCしか使わないので、もし出張かなにかでマイルがたまることがあっても、WAONに交換してコンビニで使っています。
この場合、AさんとBさんはどちらも正しいマイルの使い方をしており、どちらが得をしているということはありません。Aさんからすると、Bさんのマイルの使い方は、1マイルが1円にしかならずもったいないと感じるかもしれません。逆にBさんからすると、WAONに変えると十数万円分もの価値があるマイルを、ただの移動手段のために消費してしまうのは馬鹿らしいと思うでしょう。LCCで移動すれば数万円で飛べる距離なのに。
このように、1マイルの価値というものは普遍的に判断できるものではないので、正解なんてものはありません。これからの章は、私の独断で考えたマイル単価かかれており、それを理解した上でお付き合いいただけると幸いです。
ステータスによっても変わるマイルの価値
先ほどの例では、AさんBさんというまったく価値観が異なる二人を例にしてマイルの価値の違いについて説明しました。実は、同じAさんに絞って話を進めたとしても、マイルの価値というものは毎年変動します。その一番大きな影響はAさんが持つ上級会員のステータスによるものです。
一般的なマイル単価の計算
色々なブログで説明されているマイル単価の計算は非常に単純で、おおよそ以下のような式で説明がなされていると思います。
ビジネスクラス特典航空券を発券した場合のマイル単価
マイル単価 = 通常のビジネスクラスの料金 ÷ 必要マイル数
(例)東京発シンガポール往復のビジネスクラス
200,000 円 ÷ 80,000 マイル = 2.5円
となり、この使い方だとマイル単価は2.5円となる。
これは、いろいろな条件を無視した最も単純な計算方法であり、少なくとも私にとってはあまりあてになりません。
新・マイル単価の計算
上記計算式で一番大きな問題は、通常通り購入した場合に付与される、搭乗マイルが考慮されていないところです。また、購入時にJALカードを使用すれば特約店でさらにマイルが付与されます。さらに、特典航空券は発券時に燃油サーチャージなどの追加料金がかかります。それらを考慮したうえで、私が提案するマイル単価の計算方法は以下です。
ビジネスクラス特典航空券を発券した場合のマイル単価
マイル単価 = (通常のビジネスクラスの料金-特典航空券の発券時の費用) ÷ (特典航空券の必要マイル数+通常の航空券を購入・搭乗した際に付与されるマイル数)
お気づきになった方もいると思いますが、この計算に必要なパラメータ「通常の航空券を購入・搭乗した際に付与されるマイル数」は人によって異なります。JALダイヤモンド会員の方はJAL便の搭乗で130%のボーナスマイルがつきます。またJALカードに入っていればツアープレミアムや特約店アドオンマイルといったいろいろな特典があります。
このように、すべての方に適用できる計算式はありません。ここからは、私の現在の状況に限定した計算を行っていくことをご了承ください。
前提条件
まず、マイル単価を計算するうえで必要な私の情報です。
・ドイツ在住
・マイルはJALに絞って利用したい
・主なJALの利用は欧州路線および日本国内線
・JMBダイヤモンド会員(厳密にはまだですが、次回の一時帰国で到達予定)
・JALカードアメックスゴールド所持(アドオンマイルで100円につき3マイル)
・ビジネスクラスが好き
・ファーストクラスへの興味はない
また、日本国内線はJapan Explorer PassやYokoso Visit Passがあるので、国内線特典航空券の候補は最初から除外しています。
マイル単価
前置きが長くなりましたが、私の前提条件に絞ったケースでのマイル単価の計算を行います。
フランクフルト - 東京 JAL直行便で利用する場合
上記で説明した計算式に基づき、JAL特典航空券およびアップグレードで使用した場合のマイル単価を計算してみました。

計算に使用した運賃は現在JALの公式サイトで購入できる最安値周辺の運賃です。また、セール運賃は直近で4回行われたセール最安値の平均値を使用しています。
結果、セールで購入したプレミアムエコノミーをビジネスクラスにアップグレードするときが、一番マイル単価が高く3.42という結果となりました。
シュトゥットガルト - 東京 ヘルシンキ乗り継ぎの場合
シュトゥットガルト - ヘルシンキ間はJALの運航便はなく、フィンエアーのコードシェアのため、特典航空券は除外しています。

直行便と同じく、プレミアムエコノミーからビジネスクラスのアップグレードで使用するのがもっともマイル単価が高く、2.16という結果になりました。
これらの結果から、今後はフランクフルト - 東京の直行便のアップグレードでマイルを積極的に利用していこうと思います。
実質運賃
今回、マイル単価を計算したことで私にとっての1マイルの価値がわかりました。常にフランクフルト - 東京間のアップグレードで使用すると仮定すると、3.42円です。それに基づき、販売されている航空券の実質運賃も計算してみることにしました。
計算式
実質運賃=運賃総額+(消費するマイル-付与されるマイル)×マイル単価
となります。
フランクフルト - 東京 JAL直行便の実質運賃
往復の運賃です。
セール価格のエコノミーは予約クラスQという30%しかマイルがつかない上、ツアープレミアムも使用できないため、プレミアムエコノミーと価格の逆転が起きています。
また、こうしてみると特典航空券は高いですね。「マイルがたまったら特典航空券にする」という一辺倒な考えは危険です。
シュトゥットガルト - 東京 ヘルシンキ乗り継ぎの実質運賃
こちらも往復運賃。
こちらでは通常のエコノミー(予約クラスS)の安さが際立ちます。実質たった14,714円で日本までの往復チケットが買えると考えると、とんでもない価格です。注意が必要なのは、予約クラスSはアップグレードができません。いくら安く買えたとしてもずっとこちらを使用するとマイルはたまる一方で使う機会がありません。適度にプレミアムエコノミーを購入し、ビジネスクラスにアップグレードするのがよさそうです。
最後に
今回はマイル単価の計算方法をご説明しました。
私の場合はJMBダイアモンド会員(になる予定)で、現在の追加マイル付与率が130%ととんでもなく高いため、このステータス期間中に特典航空券を発券するのは効率が悪いと予想していましたが、実際に計算をしてみることで想像以上だということがよくわかりました。
みなさんもこちらを参考にご自身のマイル単価を計算なさってはいかがでしょうか。
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